所有欲

所有するということを最近よく考える。

普通に生きていると、欲しいものを手に入れることが人生の大部分を占めている。それがやる気をもたらしてくれるし、たのしみでもあるし、とても大事なこと。
でも人の死に直面して、生きているうちに(物質的に)何を持っていたかということはたいして問題じゃないということにも気づいたりする。
あの世には何にも持っていけないものね。
故人が残していったものはすべて残された人のものになる。
母はとても慎ましかったと私は思っているけど、それでも遺品を整理するのに一種の虚しさは拭えない。
たしかに思い出は残るけど、もっと大事なことは他にあるからだと思う。

みなで共有するものは別として、自分個人が持つものはちゃんと選んだものをおいて置きたいと思う。
もちろん私も欲しいものがたくさんあるし、そのために働いてきたけれど、買う前に、本当に必要なものかどうか悩むことを忘れないようにしたい。
もちろんインスピレーションが大事なこともあると思うけど。
でもひとりの人間が抱えられる量なんて、そんなに多くないんだろうな。
それがわからずに、自分は他の人より持っていないと思ったり、多くを手に入れようとして苦しくなったりしたりして。
自分の許容量を超えないように、手に入れたら何かを手放してバランスよくいたいものです。
本当の本当に持っていたいものは、思っているより少ないのかもしれない。
身軽でいることが今後の目標のひとつになった。
理想としてはいつでも旅に出られる準備はできているって感じか。